A 生命倫理と医の倫理
1 生命倫理の原則

救急救命士は経験する事例個々について以下の4つの基本原則に照らしながら,
丁寧に考察するなどにより,
救急救命士としての医療倫理,また職業倫理に関する感性を養うことが重要
①自律の尊重
・傷病者の自己決定権を尊重
②善行の原則
・医学的に正しいこと,よかれと思ったことを行うこと
③無危害の原則
・傷病者に危害を与えないこと
④公正・正義の原則
・人々を公正に、また平等に扱うこと
生命倫理の「4つの原則」
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト
2 ヒポクラテスの誓い(ギリシャ)
・医師と患者の関係などを律する職業倫理
・病める患者のために医術を尽くし,医師の裁量に基づく救命・治療を至上の責務とするなどが謳われる
・「医学の祖」、ギリシャ時代。もっとも古い
出典:いらすとや
3 ジュネーブ宣言(1948年)
・ジュネーブ(スイス)で開かれた第2回世界医師会において1948年に採択されたもの
■人類への奉仕に人生を捧げる
■良心と尊敬をもって専門職を遂行する
■第一の関心事は患者の健康
■患者の秘密を守秘する
■職責を全うするにあたり民族・性・国籍・政治団体・社会的地位などは関与しない
■いかなる脅迫があっても人命を尊重しつづける
■人間性の法理に反して医学知識を用いない
4 ヘルシンキ宣言(1964年)
・ヘルシンキ(フィンランド)での第18回世界医師会で「ヒトを対象とした医学研究の倫理原則」として1964年に採択されたもの
・被験者に危険性などを十分に説明してインフォームドコンセントを得るなどの原則が含まれている
出典:Tabisozai

「ヘルシンキ宣言=インフォームコンセント」(語呂:ヘ◯スにイン・・・)
5 リスボン宣言(1981年)
・1981年にリスボン(ポルトガル)において行われた第34回世界医師会において採択されたもの
・患者の主要な権利に言及し,医師,医療従事者ないし医療組織はこの権利を擁護する責任があるとしている
・リスボン宣言における患者の主要な権利
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト