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重症脳障害 P470

救急病態生理学

A 総論

・脳障害により,主に覚醒認知機能が侵される病態(広義の意識障害)を重症脳障害として扱う

・意識障害には3つの要素が含まれる
意識レベルの低下,■意識内容の異常,■意識の狭窄

1 意識レベルの低下

・救急医療では,意識障害の要素のなかで意識レベル低下がもっとも重視

・JCSやGCSでも,意識レベルを開眼の状態で評価する

2 意識内容の異常

・開眼していても,自分と自分の周囲の状況を把握できていなければ,意識内容に問題がある

・大脳皮質の機能障害によるものであり,傷病者は意識レベルの低下を合併していることが多い
■ただし知能障害精神疾患では,覚醒状態でありながら意識内容に異常を認めることがある

3 意識の狭窄

・意識レベルは侵されないが,注意の向かう範囲や対象が限られ,状況の正しい判断ができないことを示す

・意識の狭窄を生じていた期間中の記憶は障害されていることが多い

・主に,解離性障害(いわゆるヒステリー),驚愕,不安などの心因性病態でみられるが,てんかん発作後などにも出現する

B 発症機序

意識
脳幹上行性網様体賦活系からの刺激が間脳を介して大脳半球全体に投射されることによって維持される

・意識障害は解剖学的に,脳幹の障害または大脳半球の広範な障害のいずれかで出現する

1 脳血流の障害

・意識の維持には十分な脳血流量不可欠である

は代謝の活発な臓器であり,神経細胞が大量の酸素ブドウ糖を消費

・脳血流量は,血圧が多少変動しても自動調節能によって一定に保たれるが,高度の血圧低下頸部血管の圧迫などでは血流が保てなくなり,意識障害をきたす

脈拍が減少し,脳全体の血流量が減少して短時間の意識障害が生じた場合,失神と呼ばれる(アダムス・ストークス症候群

頭蓋内圧亢進による脳全体の血流低下も意識障害の原因となる

脳梗塞のように,大脳の一部の血流途絶では意識障害が出ないことも多い

2 脳代謝・神経伝達の障害

神経細胞が利用できるのはブドウ糖のみ

・急激に血糖値が低下すると,神経細胞はエネルギー源を断たれて活動が不十分となり,程度によっては意識障害をきたす

低血糖の症状をきたす血糖値は,年齢,性別,普段の血糖値,血糖値低下の速度などによって影響を受けるため一概にはいえないが,およそ55mg/dL程度にまで下がると発汗,振戦などの交感神経症状が出現する
50mg/dL程度になると中枢神経症状が出現し,皮膚の冷汗や手指振戦をみる
30mg/dL未満意識障害明らかになると考えてよい
・低血糖による意識障害は通常ブドウ糖の投与で速やかに回復するが,高度の低血糖が数時間以上続くと,脳に回復不能な障害を残す

低酸素血症,体温異常,肝不全,薬物,血清電解質異常なども,脳細胞の代謝や神経伝達の障害を通じて意識障害を呈する

3 脳幹の障害

・外傷,出血,梗塞などで脳幹網様体が破壊または圧迫されて,意識障害が生じることが多い

脳ヘルニアでは,押し出された脳組織によって脳幹圧迫される

C 一次性脳病変と二次性脳病変

1 一次性脳病変

原因となる器質的病変があって意識障害を発症するもの

病変の種類
脳血管障害,感染症,腫瘍,外傷など

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