A 高山病
・高山病
■高所に達した際に生じる身体機能の異常
・高山病の本態
■大気中の酸素分圧低下による低酸素血症
■数時間〜数日にかけて徐々に生じる低酸素血症を生理的に代償できなくなって発症する
・急性高山病
■低地居住者が高所に登って発症
1 発症機序と病態生理
・大気中の酸素比率(濃度)
■0.21(21%)
■高所では大気圧そのものが低下するため,大気中の酸素分圧も低下。
■酸素分圧の低下に伴い,動脈血酸素分圧(PaO2)および経皮的脈血酸素飽和度(SpO2)も低下
・標高2,500m
■PaO2が60mmHg未満(SpO290%未満)
■標高2,500m上の高所では身体に何らかの生理的変調を生じる
・富士山(3,776m)以上の標高
■PaO2は常に60mmHg以下
・エベレスト山頂(8,848m)
■PaO2は,標高0mにおけるPaO2のおよそ30%まで低下
①急性高山病と高地脳浮腫
・2,500m以上の高所へ一気に登ると,25%の者が急性高山病を発症
・3,500m以上へ一気に登ると,ほとんどの者が急性高山病を発症
■うち10%が重症化
・脳浮腫が生じ急性高山病を発症の機序
■低酸素血症および高二酸化炭素血症はいずれも脳血管を拡張させて脳血流量を増加させる
■体液は血管内から間質に移動して貯留する
■水・電解質代謝ホルモンの分泌異常(アルドステロン分泌の亢進,心房性ナトリウム利尿ペプチド分泌の低下など)によって尿量が減少
■これらの結果,脳浮腫が生じて急性高山病を発症する
■低酸素血症および高二酸化炭素血症はいずれも脳血管を拡張させて脳血流量を増加させる
■体液は血管内から間質に移動して貯留する
■水・電解質代謝ホルモンの分泌異常(アルドステロン分泌の亢進,心房性ナトリウム利尿ペプチド分泌の低下など)によって尿量が減少
■これらの結果,脳浮腫が生じて急性高山病を発症する
・急性高山病
■急性高山病の症状のうち,頭痛は頻度が高く重要な所見
■急性高山病は,新たな高度に達してから数時間以降に出現し,2〜3日でピークとなり,高地脳浮腫や高地肺水腫を発症しなければ5日程度で自然に回復する
■さらに頭蓋内圧が亢進すると,重症化して高地脳浮腫を生じる
■急性高山病の症状のうち,頭痛は頻度が高く重要な所見
■急性高山病は,新たな高度に達してから数時間以降に出現し,2〜3日でピークとなり,高地脳浮腫や高地肺水腫を発症しなければ5日程度で自然に回復する
■さらに頭蓋内圧が亢進すると,重症化して高地脳浮腫を生じる
急性高山病,高地脳浮腫,高地肺水腫の判断基準
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト
②高地肺水腫
・急性高山病が重症化
■高地肺水腫を生じる場合もある