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刺咬症(傷) P781

刺咬症(傷) P781
Illustration of a great white shark.

A 刺咬症(傷)とは

刺傷
■動物に刺されてできる傷
咬傷
咬まれてできる傷

・刺咬症刺咬傷による感染や,生体内への毒物(毒素)注入などによって生じる各種の障害

・刺咬傷を生じた場合
◾️創傷処置だけでなく,感染や毒物(毒素)注入によって生じる刺咬症に対する処置も必要

B 哺乳類による咬症

哺乳類による咬傷
イヌ,ネコ,ヒトなどによって生じる

・創傷の形は歯列に沿った形状となる場合が多い

・口腔内に常在する細菌またはウイルスによる
創傷感染,全身感染症,あるいはアナフィラキシーが問題となる

アナフィラキシーショックを生じる可能性がある
ハムスター,ヘビ,ダニなどの咬症後

・初期評価:意識,気道・呼吸,循環動態のいずれかに異常を認める場合
酸素投与のうえ必要な処置を行う

活動性出血を認める場合
直接圧迫止血法

咬傷部分は感染症を防ぐため
流水で洗浄して,滅菌ガーゼで被覆

1 イヌ

・動物咬傷でもっとも多い

・咬合力が強いため,骨や腱などの深部組織に及ぶ挫滅をきたしやすい
・咬んだまま強い力で引っぱられると組織が引きちぎられて重症化する
口腔内細菌による感染
黄色ブドウ球菌,溶血性連鎖球菌,パスツレラ菌などが多い
パスツレラ菌による創感染では蜂窩織炎を生じることもある
ネコによる咬傷に比較すれば創感染の確率低い

・咬傷が深い場合
骨髄炎を生じることがある

全身感染症
破傷風Q熱(コクシエラ症)サルモネラ症などが起こる可能性がある

・狂犬病
狂犬病ウイルスによる人畜共通感染症
■発症すればきわめて予後不良
イヌのほか,ネコ,キツネ,アライグマ,コウモリなどからも感染
■1956年以降、国内での感染は認められていないが,海外ではいまだに多い

2 ネコ

イヌ咬傷次いで多い

咬合力は比較的弱い

・歯が鋭利なため,創が深部に及びやすい

・創感染
■創口が小さいため創内に細菌が残存しやすく20~80%の頻度で何らかの創感染をきたす
■創感染はパスツレラ菌によるものが多く、その他として黄色ブドウ球菌溶血性連鎖球菌などによるものがある
■とくに,手の咬傷は,腱鞘などに細菌が残存するだけでなく,血流が比較的乏しいために創感染のリスク高い

ネコひっかき病(バルトネラ症)

・特有の感染症
咬傷ひっかき傷から感染する
バルトネラ・ヘンセラ菌による感染症
・受傷後1週間〜10日後に創傷の紅斑・丘疹と,鼠径部や腋窩,頸部に痛みを伴う鶏卵大リンパ節腫脹を認める
発熱倦怠感,食思不振,頭痛などを伴う場合もある

3 ヒト

・喧嘩や不穏の際には人間に咬みつかれることがある

・拳で顔面を殴った際に中手指節関節背側(握り拳の先端)が歯に当たって生じる創がある

歯牙によって持ち込まれた細菌が腱・腱鞘の動きに伴って深部に移動し,感染を引き起こすことが多い

起炎菌
口腔内嫌気性菌黄色ブドウ球菌溶血性連鎖球菌など

・重症の場合
壊死性筋膜炎を含むコンパートメント(筋区画)症候群を生じることがある

・全身感染症として破傷風に感染する可能性がある

ヒトによる咬傷
型肝炎ウイルス,型肝炎ウイルスなどに感染する可能性がある

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