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胸部外傷 P733

外傷救急医学
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A 疫学

外傷のうち胸部外傷が占める割合
■約25%

・胸部には重要臓器が集中しているために,死亡原因としては全体の約1/4を占める

・胸部外傷のほとんどは鈍的外傷

交通事故,次いで転落・墜落によるものが多い

・交通事故が占める割合は減少傾向

B 受傷機転

・胸部外傷のほとんどを占める鈍的外傷
減速機序圧迫によって損傷をきたす

減速機序
交通事故で搭乗者の胸部が車両の内部構造に衝突したり,墜落で地面に衝突したりした場合に作用する
■外力が直接作用した胸壁に損傷が起こり,さらに内部の肺や心臓などが胸壁に衝突して挫傷などの損傷が起こる
減速機序によって胸部前面に強い外力が働いた場合
動脈に剪断力が働いて大動脈断裂をきたすことがある
・圧迫による機序
重量物による胸部の挟圧衝突時のシートベルトによる締めつけによって起こり,心臓や大動脈,気管・気管支を損傷する原因となる
■胸部に前後方向の圧迫が加わった際に反射的に声門が閉鎖すると,胸腔内の圧力が高まり肺破裂横隔膜損傷,気管・気管支の断裂をきたすことがある

・下部胸郭の内部に鈍的外傷か穿通性外傷かにかかわらず,この部分に外力が働いた場合
■腹腔内臓器(肝臓,脾臓,腎臓など)の損傷が起こる

・胸部の穿通性損傷
心損傷危険域(後述)の穿通性外傷では心,大血管を損傷する可能性が高い
両乳頭を結ぶ線より下部の胸壁への穿通性外傷
横隔膜胸郭内腹部臓器(肝臓,脾臓,膵臓,胃など)に損傷が及ぶことがある

C 病態

・胸部には気管,気管支,肺,心臓,大血管など呼吸・循環を維持するための重要臓器がある

呼吸不全
気管・気管支の断裂肺挫傷
胸郭・横隔膜の損傷
気胸・血胸などに伴う呼吸運動の障害
循環不全
■肺や胸郭,心,大血管からの出血による循環血液量減少性ショック(出血性ショック)
■心臓自体の損傷による心原性ショック
緊張性気胸心タンポナーデに伴う心外閉塞・拘束性ショックなど,さまざまな要因が関連して発生する
■重篤な場合
病院前における外傷死の主要な原因となる

緊張性気胸
呼吸不全循環不全の両者が問題となる

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