A 疫学
・外傷のうち胸部外傷が占める割合
■約25%
・胸部には重要臓器が集中しているために,死亡原因としては全体の約1/4を占める
・胸部外傷のほとんどは鈍的外傷
・交通事故,次いで転落・墜落によるものが多い
・交通事故が占める割合は減少傾向
B 受傷機転
・胸部外傷のほとんどを占める鈍的外傷
■減速機序や圧迫によって損傷をきたす
・減速機序
■交通事故で搭乗者の胸部が車両の内部構造に衝突したり,墜落で地面に衝突したりした場合に作用する
■外力が直接作用した胸壁に損傷が起こり,さらに内部の肺や心臓などが胸壁に衝突して挫傷などの損傷が起こる
■減速機序によって胸部前面に強い外力が働いた場合
▶動脈に剪断力が働いて大動脈断裂をきたすことがある
■交通事故で搭乗者の胸部が車両の内部構造に衝突したり,墜落で地面に衝突したりした場合に作用する
■外力が直接作用した胸壁に損傷が起こり,さらに内部の肺や心臓などが胸壁に衝突して挫傷などの損傷が起こる
■減速機序によって胸部前面に強い外力が働いた場合
▶動脈に剪断力が働いて大動脈断裂をきたすことがある
・圧迫による機序
■重量物による胸部の挟圧や衝突時のシートベルトによる締めつけによって起こり,心臓や大動脈,気管・気管支を損傷する原因となる
■胸部に前後方向の圧迫が加わった際に反射的に声門が閉鎖すると,胸腔内の圧力が高まり,肺破裂や横隔膜損傷,気管・気管支の断裂をきたすことがある
■重量物による胸部の挟圧や衝突時のシートベルトによる締めつけによって起こり,心臓や大動脈,気管・気管支を損傷する原因となる
■胸部に前後方向の圧迫が加わった際に反射的に声門が閉鎖すると,胸腔内の圧力が高まり,肺破裂や横隔膜損傷,気管・気管支の断裂をきたすことがある
・下部胸郭の内部に鈍的外傷か穿通性外傷かにかかわらず,この部分に外力が働いた場合
■腹腔内臓器(肝臓,脾臓,腎臓など)の損傷が起こる
C 病態
・胸部には気管,気管支,肺,心臓,大血管など呼吸・循環を維持するための重要臓器がある
・緊張性気胸
■呼吸不全と循環不全の両者が問題となる