A 定義・概念
・腋窩温で37℃以上を体温上昇とみなす
・正確な体温を知るためには中心部体温の測定が望ましいが,日常生活や病院前では腋窩温や鼓膜温で代用することが多い
・体温上昇
■発熱,高体温が含まれている
■両者は原因,病態,対応に関して異なるため区別が必要
1 発熱
・何らかの原因で体温調節中枢の設定温度が上昇し,身体がそれに応じて積極的に体温を上昇させた結果が発熱である
・発熱は目的をもった身体反応である
・発熱は目的をもった身体反応である
2 高体温
・種々の原因で身体に熱が蓄積し,体温調節機能の不足,異常,または停止をきたして体温が上昇した状態
B 発症機序
1 体温の調整
・体温調節の中枢は視床下部
・体温が低下すれば,体温調節中枢の冷感受性ニューロンの活動が亢進
・体温が上昇すれば,体温調節中枢の温感受性ニューロン(温ニューロン)の活動が亢進
・体温の低下に対しては
■体表の血管が収縮して熱の放散を減らし,シバリング(ふるえ)と呼ばれる骨格筋の小刻みな不随意収縮が生じて熱産生を増やす
■シバリングは強力な体温上昇の手段
■体表の血管が収縮して熱の放散を減らし,シバリング(ふるえ)と呼ばれる骨格筋の小刻みな不随意収縮が生じて熱産生を増やす
■シバリングは強力な体温上昇の手段
・体温の上昇に対しては
■体表の血管が拡張して放熱を増やし,必要に応じて分泌される汗が気化熱を奪って体温を下げる
■汗の蒸発さえ確保されれば発汗は強力な体温下降の手段となる
■プロスタグランジンの産生で冷ニューロンが興奮し,体温の設定温度が37℃から上昇する
■体表の血管が拡張して放熱を増やし,必要に応じて分泌される汗が気化熱を奪って体温を下げる
■汗の蒸発さえ確保されれば発汗は強力な体温下降の手段となる
■プロスタグランジンの産生で冷ニューロンが興奮し,体温の設定温度が37℃から上昇する
体温調節のための反応
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト
2 発熱の発症機序
・体温を下げるための反応として血管拡張と発汗が生じ,体温は元に戻る