F 不整脈
1 不整脈とは
・正常洞調律以外の心臓の電気的現象を,すべて不整脈
・頻拍,徐拍など心拍数の異常も含む
2 心室期外収縮
・通常のP波に続くQRS波より早期に生じ,先行するP波を伴わない幅広いQRS波
・生理的
■加齢とともに増加する
・病的
■心筋梗塞や心筋炎,心筋症などに合併症としてみられる
・危険が高い
■多源性,連発(心室頻拍),RonTのタイプは心室細動に移行する
■多源性,連発(心室頻拍),RonTのタイプは心室細動に移行する
3 心室細動
・中高年
■急性心筋梗塞などの急性冠症候群に合併することが多い
■急性心筋梗塞などの急性冠症候群に合併することが多い
・若年者
■心筋症,冠動脈奇形,心筋炎,QT延長症候群などの心疾患を基礎にもつ人のスポーツ中などに発生しやすい
■心筋症,冠動脈奇形,心筋炎,QT延長症候群などの心疾患を基礎にもつ人のスポーツ中などに発生しやすい
・まれに急性中毒によることがある
心室細動
・心筋細胞が各々不規則に細かく興奮している状態
・発症直後から心臓の機能は完全に失われて脈拍を触知しなくなり,数秒後には意識も消失する
■しばらく死戦期呼吸がみられる
■しばらく死戦期呼吸がみられる
・心筋の電気的活動は時間経過とともに急速に微弱となり数分〜十数分後には心静止へと移行
対応
・電気ショックによる除細動が第一に必要な処置
・できるだけ早期に電気ショックを実施
・除細動の成功には確実なCPRによる心筋の酸素化が重要
4 心室頻拍
・原因
■心室の心筋におけるリエントリー(電気的興奮が一定の回路を回り続けること)
■自動能亢進によって生じる
■心室の心筋におけるリエントリー(電気的興奮が一定の回路を回り続けること)
■自動能亢進によって生じる
・脈拍触知の有無
あり(循環動態は脈が触れており意識が保たれているもの)
なし(循環虚脱に陥る)→重症型で脈が触れないものは無脈性心室頻拍と呼ばれ,心停止の扱いとなる
あり(循環動態は脈が触れており意識が保たれているもの)
なし(循環虚脱に陥る)→重症型で脈が触れないものは無脈性心室頻拍と呼ばれ,心停止の扱いとなる
・心室頻拍では心拍数が多いほど,ショック症状を呈しやすい
・心拍数が180/分を超えると脈拍が触知されなくなることが多い
・脈拍の触れない広いQRS幅の頻拍は,すべて無脈性心室頻拍とみなし,速やかな電気ショックとCPRが必要
・無脈性心室頻拍を放置すると,ほとんどの場合はまもなく心室細動に移行