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妊娠・分娩と救急疾患  P665

妊娠・分娩と救急疾患 P665

A 正常妊娠

1 受精と着床

①受精

排卵
■月経周期28日型の女性では,最終月経初日から約2週間後に卵巣から卵子が放出

・卵子は,卵管に取り込まれて卵管内を子宮腔に向かって移動1つの精子と結合受精

・受精卵約4日子宮腔に達する


②着床

・受精卵排卵から7~8日目子宮内膜に接着してその中に侵入を開始する

受精卵は約4日かけて,完全に子宮内膜内に入り込み,埋没する。これが着床と呼ばれ,妊娠のはじまりである

月経周期28日型の女性では,最終月経初日から4週間弱妊娠が成立

2 胎児

・着床した受精卵胎児になる部分と胎盤になる部分に分かれて発育

・現在,出生して成育可能なのは,妊娠22週以降と考えられている

平均の体重
■妊娠22週:500g
■27週:1,000g
■30週:1,500g
■33週:2,000g
■36週:2,500g
■39週:3,000g

3 胎児付属物

・胎児以外の部分,すなわち胎盤,臍帯,羊水,卵膜

・妊娠初期の胎児(初期には,胎芽と呼ばれることもある)は胎囊と呼ばれる腔内にいる


胎盤

妊娠15週頃完成

・妊娠後期には,直径約15~20cm

・一番厚い部分で約2cm,重さ約500g


臍帯

動脈
静脈
計3本の血管

・胎盤と胎児をつないでいる

・妊娠末期の長さは,30~100cm

・母体から胎児への酸素栄養の供給と,胎児から母体への老廃物の排泄はすべて臍帯と胎盤を介して行われ,胎児にとってはまさに命綱

卵膜

羊水および胎児入れる袋である。卵膜が破れると羊水が流出するため,卵膜が破れることを破水と呼ぶ

・胎児はその破れた孔を通じて生まれ出る


羊水

胎児の尿からの分泌液

弱アルカリ性の液体

・正常の腟内は酸性に保たれているが,破水して羊水が腟内に流れ出るとアルカリ性に変わる

・腟内のpHを調べることによって破水の有無が確認できる

羊水量
■妊娠末期では5000mL前後

4 妊娠週数と分娩予定日

・妊娠のどの時期にあるかは最終月経初日を0週0日として,分娩予定日妊娠40週0日とする妊娠週数という表現で表す

・月経周期が28日型の人は,最終月経初日から約2週後に排卵して受精し,着床するにはさらに1週間以上を要するため,娠3週0日はまだ妊娠が成立していない時期である

・尿検査などで妊娠の診断がされるのは,一般的には妊娠4週0日以降

妊娠4週0日から7週6日までが妊娠2カ月に相当

月齢
4週間1ヶ月に相当

・妊娠期間においては3カ月ごとに分けて表現する
妊娠初期→妊娠2~4カ月(妊娠4~15週)
妊娠中期→妊娠5~7カ月(妊娠16~27週)
妊娠後期→妊娠8~10カ月(妊娠28~39週

ネーゲレ概算法
■月経周期が28~30日型で不順ではない女性の場合,おおよその分娩予定日は,最終月経初日の月数に9を加えるか,3を引いて予定月数として日数に7を加えることにより計算できる

5 妊娠による母体の変化

・妊娠初期
■つわり→嘔気嘔吐がみられることがある
■腸蠕動が抑制されるため,便秘になりやすい

循環血漿量増加し,心拍出量増加して心臓負担がかかる

・循環血漿量は,妊娠32~34週にピークとなり,非妊娠時の約50%増となる

・増大した子宮は,下肢や外陰部から心臓に戻る血流を障害したり,尿管を圧迫したりして,下肢や外陰部の浮腫静脈瘤,あるいは水腎症を起こす
■また,血液凝固能が亢進しているうえに,肥大した子宮により下大静脈が圧迫されるため,深部静脈血栓症肺血栓塞栓症起こしやすくなる

仰臥位低血圧症候群
■仰臥位になったとき,増大した子宮が下大静脈を圧迫して心臓への還流を障害して低血圧を起こす

色素沈着
顔面,乳頭,乳輪,外陰,腹壁に起こる

・妊娠後期
■子宮や乳房の著明な増大や,脂肪組織の増加により,下腹部,乳房,大腿に赤紫色の妊娠線が生じることがある

・妊娠中は,ホルモン系や,糖や脂肪などの代謝にも変化が現れる

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