A 総論
1 救急医療における意義
泌尿系疾患のうち救急疾患として頻度の高いもの
・腎臓機能の低下(急性腎障害,慢性腎臓病)
・尿管・尿道の流路障害(尿管結石,前立腺肥大)
・尿路の感染症(膀胱炎,腎盂腎炎)
・女性
■内性器感染症や腫瘍に起因する病態
・男性
■精巣上体炎
■前立腺炎
■内性器感染症や腫瘍に起因する病態
・男性
■精巣上体炎
■前立腺炎
・電解質異常,代謝性アシドーシス,尿毒症,重症感染症などは緊急性の高い
2 泌尿・生殖系疾患の主要症候
①疼痛
・下腹部痛を訴えることが多い
・腎盂腎炎や上部尿管結石
■患側の腰背部痛
■患側の腰背部痛
・尿管結石で腸管麻痺を合併した場合
◾️腹部膨満感
②排尿の異常
頻尿
・排尿の回数が多いこと・膀胱炎や過活動膀胱などでは,膀胱に少量の尿が貯留しただけでも尿意を我慢できない
・起床から就寝までに8回以上の排尿があるとき
・起床から就寝までに8回以上の排尿があるとき
乏尿・無尿
・乏尿
■老廃物を十分に排泄できなくなった状態
■1日の尿排泄量が成人で400~500mL未満
・無尿
■1日尿量が50~100mL以下
■老廃物を十分に排泄できなくなった状態
■1日の尿排泄量が成人で400~500mL未満
・無尿
■1日尿量が50~100mL以下
残尿感
・排尿後にも尿が残る感覚を残尿感
③尿閉
・生成された尿が膀胱に溜まっているが,尿道から体外に排泄されない状態を尿閉
・腎機能の問題ではなく,尿の排泄機序・機能の障害で生じる
・下腹部緊満感や下腹部痛を訴え,下腹部に緊満した膀胱を触れる
④尿の性状の異常
血尿
・尿に血液が混入していることを血尿
肉眼的血尿
■肉眼で確認できる
顕微鏡的血尿
■顕微鏡検査で初めて血液の混入が判明する
肉眼的血尿
■肉眼で確認できる
顕微鏡的血尿
■顕微鏡検査で初めて血液の混入が判明する
・血尿と区別すべき状態
赤色尿
■緩下薬や抗結核薬の服用後
ビリルビン尿(濃い褐色の尿)
■急性肝炎,肝機能障害,胆管結石,眼球結膜や皮膚の黄染(黄疸)
ミオグロビン尿
■その他,筋肉の損傷や挫滅に伴う
ヘモグロビン尿
■広範囲熱傷などによる溶血後