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救急救命士が行う処置5 「体位管理、体温管理、止血」 P394

救急救命処置概論

P 体位管理

1 目的

目的
傷病者の苦痛の軽減,病態の安定

誤った体位をとると苦痛を増強させ,病態が悪化させることがある

 

 

 


①呼吸・循環機能の改善

・胸部を高くする
心臓の前負荷減らしうっ血性心不全,肺水腫などにおける呼吸困難を軽減

・胸部を低くする
■心臓の前負荷増やし静脈還流量を増加させ,ショック改善

・健側をにする
換気良好な健側肺への血流を増加させ,換気血流比改善

起坐位
呼吸補助筋が使いやすくなる


仰臥位の妊婦

・妊娠子宮が下大静脈を圧迫して静脈還流量の低下仰臥位低血圧症候群)が起こることがある
左側臥位とすることにより,状態が改善する

②気道の開通

・顔を横向きにしてあご先を突き出すことにより,気道を開通させる

・上気道の狭窄をきたす疾患
■起坐位で気道が保たれることがある


③誤嚥の予防

・顔を横向きにすることにより,嘔吐がある場合に吐物を外に出しやすくし,誤嚥の危険性を減らせる


④頭蓋内圧亢進の緩和

・相対的に頭部を高くすることで頭部からの静脈還流を促し,頭蓋内圧の亢進緩和


⑤毒物・薬物の小腸内への移動阻止

左側臥位で胃を十二指腸より低い位置にすることにより,毒物・薬物の胃から十二指腸への移行を少しでも減少させる


⑥出血量の軽減

・出血部位を心臓より高くすることにより,出血量を減少させる


⑦疼痛の軽減

腹痛を訴える傷病者
■腹筋を弛緩させる体位をとる

胸部外傷時
■患側をにすることにより,呼吸に伴う胸郭運動を制限し,疼痛を軽減

心膜炎
■前傾した起坐位で疼痛が緩和
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