P 体位管理
1 目的
・目的
■傷病者の苦痛の軽減,病態の安定
・誤った体位をとると苦痛を増強させ,病態が悪化させることがある
①呼吸・循環機能の改善
・胸部を高くする
■心臓の前負荷を減らし,うっ血性心不全,肺水腫などにおける呼吸困難を軽減
・胸部を低くする
■心臓の前負荷を増やし,静脈還流量を増加させ,ショックを改善
■心臓の前負荷を減らし,うっ血性心不全,肺水腫などにおける呼吸困難を軽減
・胸部を低くする
■心臓の前負荷を増やし,静脈還流量を増加させ,ショックを改善
・健側を下にする
■換気良好な健側肺への血流を増加させ,換気血流比を改善
・起坐位
■呼吸補助筋が使いやすくなる
仰臥位の妊婦
・妊娠子宮が下大静脈を圧迫して静脈還流量の低下(仰臥位低血圧症候群)が起こることがある
・左側臥位とすることにより,状態が改善する
・左側臥位とすることにより,状態が改善する
②気道の開通
・顔を横向きにしてあご先を突き出すことにより,気道を開通させる
・上気道の狭窄をきたす疾患
■起坐位で気道が保たれることがある
③誤嚥の予防
・顔を横向きにすることにより,嘔吐がある場合に吐物を外に出しやすくし,誤嚥の危険性を減らせる
④頭蓋内圧亢進の緩和
・相対的に頭部を高くすることで頭部からの静脈還流を促し,頭蓋内圧の亢進を緩和
⑤毒物・薬物の小腸内への移動阻止
・左側臥位で胃を十二指腸より低い位置にすることにより,毒物・薬物の胃から十二指腸への移行を少しでも減少させる
⑥出血量の軽減
・出血部位を心臓より高くすることにより,出血量を減少させる
⑦疼痛の軽減
・腹痛を訴える傷病者
■腹筋を弛緩させる体位をとる
・胸部外傷時
■患側を下にすることにより,呼吸に伴う胸郭運動を制限し,疼痛を軽減