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小児に特有な疾患  P644

小児に特有な疾患 P644

A 総論

新生児期→出生から1カ月未満

乳児期→1カ月〜1歳未満

幼児期→1歳〜小学校就学前

学童期→小学校〜中学校

1 小児の生理学的特徴

小児
■年齢幅以上に成長・発達の幅が大きい。さらにその発育に個人差があり,年齢や身長・体重などでは一概に理解や判断ができないことが特徴である
成長とは,身体が形態的に大きくなることをいう

・生理学的な特徴の一つ幼若な小児ほど頭部大きい
■0歳児→頭身
■6〜7歳→頭身
■成人→頭身
※このことは脳・中枢神経もっとも先に発育することを意味している

2 成長に伴う形態の変化

①体重

平均出生体重
3,000〜3,200g

生理的体重減少
新生児の体重は,哺乳量不足,胎便排泄により,生後3〜5日にかけて5〜10%減少する

乳児
■1歳で出生時より約3倍体重増加が起こる


②身長

・出生時の平均身長
50cm前後

乳児期第二次性徴期(思春期)に伸びが著しい

1歳で出生児の1.5倍5歳2倍

最終身長

男児
■2歳児の身長
女児
1歳半
の身長,それぞれ2倍値と予測される

③頭囲

・出生時,平均33cm胸囲より大きい

1歳同等となり45〜46cm程度となる


パーセンタイル

・各年齢で小さいほうから順番に並べ,何パーセント目に当たるかを示す値
・90パーセンタイルとは,100人の子どもを頭位の小さいほうから数えて90番目に位置する
水頭症巨頭症
頭囲が90パーセンタイル以上

大泉門
■生後4カ月頃より大きくなり
生後2年頃までに閉鎖

小泉門
生後4〜5カ月までには閉鎖

④胸囲

・出生時
■平均32cm


⑤骨・歯の発達

・骨年齢は手根骨で評価

乳歯
生後6〜7カ月から生えはじめ,年齢とともに増加


⑥中枢神経系の発達

はもっとも早く発達する臓器

出生時:約350g程度
1歳:800〜900g2倍
3歳:1,000g3倍
10歳:1,400g程度

⑦生殖器の発達

女児思春期の到来早い


⑧身体発育の評価

・発育曲線(身長・体重)の,10パーセンタイル以下90パーセンタイル以上は病的な意味する

・カウプ指数〔=体重(g)/身長(cm)2×10〕は乳幼児に対して用いられる
痩せ:15未満
正常:15〜18
肥満:19以上
肥満度は(実測体重−標準体重)÷標準体重×100%
痩せ:−20%以下
正常:−20〜+20%
肥満:20%以上を肥満

3 成長に伴う機能の変化

①体温

子どもの体温は新陳代謝が盛んなために成人より高い

・体温調節機構が未熟なため外界温に影響受けやすい

・2歳以降では夕方16〜20時頃がもっとも高くなりやすい

・1日の体温幅が1℃以内なら正常と判断する

・測定部位は腋窩温に対して,直腸温約1℃口腔温約0.5℃高い


②呼吸

乳児
■胸郭が未発達のため腹式呼吸

幼児期から胸式呼吸加わる

呼吸数
■新生児:35~50/分
■乳児:30〜45/分
■3歳:25/分
■6歳:20/分
■12歳:16/分

③脈拍

呼吸と同様に加齢とともに減少

思春期成人と同様になる

正常値
■新生児:110~160/分
■1歳:100~130/分
■3歳頃:90~120/分
■6歳:80~110/分
■12歳:60〜95/分

④血圧

・血圧は6歳前後で成人同様

収縮期血圧の最低値の目安
■0歳児:60mmHg
■1歳:80〜100mmHg
■3歳:90〜105mmHg
※あるいは「70+2×年齢」mmHgとされる
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