A 総論
・新生児期→出生から1カ月未満
・乳児期→1カ月〜1歳未満
・幼児期→1歳〜小学校就学前
・学童期→小学校〜中学校
1 小児の生理学的特徴
・小児
■年齢幅以上に成長・発達の幅が大きい。さらにその発育に個人差があり,年齢や身長・体重などでは一概に理解や判断ができないことが特徴である
■成長とは,身体が形態的に大きくなることをいう
・生理学的な特徴の一つ幼若な小児ほど頭部が大きい
■0歳児→4頭身
■6〜7歳→6頭身
■成人→8頭身
※このことは脳・中枢神経がもっとも先に発育することを意味している
2 成長に伴う形態の変化
①体重
・平均出生体重
■3,000〜3,200g
・乳児
■1歳で出生時より約3倍の体重増加が起こる
②身長
・出生時の平均身長
■50cm前後
・乳児期と第二次性徴期(思春期)に伸びが著しい
・1歳で出生児の1.5倍,5歳で2倍
最終身長
・男児
■2歳児の身長
■2歳児の身長
・女児
1歳半の身長,それぞれ2倍値と予測される
1歳半の身長,それぞれ2倍値と予測される
③頭囲
・出生時,平均33cmで胸囲より大きい
・1歳で同等となり45〜46cm程度となる
パーセンタイル
・各年齢で小さいほうから順番に並べ,何パーセント目に当たるかを示す値
・90パーセンタイルとは,100人の子どもを頭位の小さいほうから数えて90番目に位置する
・水頭症や巨頭症
■頭囲が90パーセンタイル以上
・90パーセンタイルとは,100人の子どもを頭位の小さいほうから数えて90番目に位置する
・水頭症や巨頭症
■頭囲が90パーセンタイル以上
・大泉門
■生後4カ月頃より大きくなり
■生後2年頃までに閉鎖
・小泉門
■生後4〜5カ月までには閉鎖
■生後4カ月頃より大きくなり
■生後2年頃までに閉鎖
・小泉門
■生後4〜5カ月までには閉鎖
④胸囲
・出生時
■平均32cm
⑤骨・歯の発達
・骨年齢は手根骨で評価
・乳歯
■生後6〜7カ月から生えはじめ,年齢とともに増加
⑥中枢神経系の発達
・脳はもっとも早く発達する臓器
出生時:約350g程度
1歳:800〜900gと2倍
3歳:1,000gと3倍
10歳:1,400g程度
1歳:800〜900gと2倍
3歳:1,000gと3倍
10歳:1,400g程度
⑦生殖器の発達
・女児は思春期の到来が早い
⑧身体発育の評価
・発育曲線(身長・体重)の,10パーセンタイル以下と90パーセンタイル以上は病的な意味する
・カウプ指数〔=体重(g)/身長(cm)2×10〕は乳幼児に対して用いられる
痩せ:15未満
正常:15〜18
肥満:19以上
痩せ:15未満
正常:15〜18
肥満:19以上
・肥満度は(実測体重−標準体重)÷標準体重×100%
痩せ:−20%以下
正常:−20〜+20%
肥満:20%以上を肥満
痩せ:−20%以下
正常:−20〜+20%
肥満:20%以上を肥満
3 成長に伴う機能の変化
①体温
・子どもの体温は新陳代謝が盛んなために成人より高い
・体温調節機構が未熟なため外界温に影響を受けやすい
・2歳以降では夕方16〜20時頃がもっとも高くなりやすい
・1日の体温幅が1℃以内なら正常と判断する
・測定部位は腋窩温に対して,直腸温が約1℃,口腔温が約0.5℃高い
②呼吸
・乳児
■胸郭が未発達のため腹式呼吸
・幼児期から胸式呼吸が加わる
③脈拍
・呼吸と同様に加齢とともに減少
・思春期に成人と同様になる
④血圧
・血圧は6歳前後で成人同様