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救急救命士が行う処置1 「気道確保・異物除去・声門上気道デバイス」 P344

救急救命処置概論

A 処置の目的と意義

救急救命士が行う救急救命処置
症状が著しく悪化,またその生命が危険な状態にある重度傷病者に対して,医療機関へ搬送されるまでの間に症状の著しい悪化を防止し,生命の危険を回避するために緊急に必要なもの
救急救命処置による
むやみな現場滞在時間の延長は避け,早期に医療機関へ搬送することを主眼とすることも必要

・すべての処置は、「観察 – 判断 – 処置 – 評価」の繰り返しである

B 気道確保

気道確保の目的
気道の狭窄や閉塞を解除し,気道を開通させること

・気道の狭窄や閉塞が起こる原因
心肺停止高度の意識障害で筋肉が弛緩し,軟口蓋,舌根,喉頭蓋などが重力で垂れ下がったとき
■外傷や疾患で気道に腫脹変形などを生じたとき
血液,凝血塊,分泌物,脱落した歯牙義歯,食物などの異物が気道内にあるとき

1 用手的気道確保

①方法と手順(手順は省略)

頭部後屈あご先挙上

もっとも一般的な用手的気道確保法

禁忌
頸椎の外傷や疾患が疑われる場合

下顎挙上法

頸椎損傷が疑われる傷病者に第一選択

・救助者の両肘を傷病者と同じ平面(ストレッチャー上など)に固定すると,揺れる車内においても安定した気道確保を継続できる

修正下顎挙上法

・下顎挙上法同様に、頚椎損傷が疑われる傷病者に適応


下顎引き上げ法

下顎骨粉砕骨折などのために他の用手的気道確保法で気道が確保できないときに適用


トリプルエアウエイマニューバー

開口,下顎挙上,頭部後屈の3つを併用し,気道の開通を図る方法

大きな体格の傷病者で気道の開通が不十分なとき実施


乳児の気道確保

・体幹に比して頭部が大きいため,平らな面で仰臥位にすると頸部が前屈し,気道閉塞を起こしやすい

背中シーツやタオルを敷くとよい
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