局所の観察 P312

局所の観察 P312

A 観察結果の表現

・視診
■腫脹,変形,色調異常,創や出血の状態などを見たままに表現

・触診
■軋轢音や握雪感といった特徴的な所見は適切な用語で表現


聴診の所見

・呼吸音
■断続性ラ音
■連続性ラ音
・心音
■心雑音
・腸蠕動音(グル音、腸雑音)
■亢進,減弱など

B 皮膚

1 色調と温度、乾燥

・皮膚の色調
■循環障害や炎症など,生体に引き起こされた異常状態の存在を示唆

・蒼白
■ショック,脱水など

・チアノーゼ(青紫色)
■ショック,低酸素血症,先天性心疾患,心不全,重度の貧血など(低酸素血症をきたしてもチアノーゼを呈さなことがある)
・黄疸
■肝・胆道疾患
■溶血性疾患など

・紅潮
■一酸化炭素中毒

・発赤
■急性炎症,感染,熱中症など

皮膚の色調から考えられる疾患

出典:へるす出版 改訂第10版救急救命士標準テキスト

・熱感
■感染症などの発熱性疾患
■熱中症
■アレルギー反応など
・冷感がある場合
■各種ショック
■凍傷
■偶発性低体温症など
・乾燥
■体水分の欠乏
■体温調整中枢の機能異常
■脱水の徴候
■皮膚乾燥,皮膚低下
Ⅲ度熱中症の場合は、発汗が停止し、皮膚の乾燥,著しい高体温を認める

2 発汗

・皮膚が冷たく(冷感)、発汗している(湿潤)場合
■交感神経緊張,ショック,心不全など

・精神的ストレスでも発汗する

3 皮疹

・皮疹または発疹
■目で見てわかる、手で触れてわかる皮膚の変化

・紅斑
■ウイルス感染,アレルギー,温熱刺激,膠原病など
・紫斑
■打撲,出血傾向,高齢者など
・丘疹
■麻疹,水痘,疣贅(いぼ)など
・膨疹
■蕁麻疹,虫刺され,薬剤など
・水痘
■Ⅱ度熱傷,水痘,帯状疱疹
・びらん
■水疱の破れたあと,擦過,感染など
・潰瘍
■細菌感染,糖尿病,動脈閉塞,褥瘡など

4 蕁麻疹

・皮膚局所に出没を繰り返す発赤

・痒みを伴う一過性の膨疹

・Ⅰ型アレルギーによるものが多い
■アレルギーでもっとも多い食物

・掻痒感から生じる掻破行動により膨疹は拡大


クインケ浮腫

・好発部位
■口唇,眼瞼

■蒼白色で、掻痒感は伴わない
■咽頭や喉頭の粘膜に生じると呼吸困難を呈する

5 浮腫

・浮腫
■皮膚が水分を含んでむくんだ状態

・「体液過剰,心不全,腎不全,内分泌疾患」の存在を示唆

・指圧痕
■皮膚が緊張して光沢を帯び、骨に向かって圧迫すると凹みが残る
・甲状腺機能低下症(粘液水腫)に伴う浮腫
■弾力を帯び,骨に向かって圧迫しても凹みが生じない