救急救命士が行う処置2 「気管挿管・気管吸引・酸素投与」 P358

救急救命処置概論

F 気管挿管

1 目的

気管挿管
声門上気道デバイスよりさらに確実な気道の確保が可能
■チューブを介した気管吸引にも使用できる
心肺蘇生(CPR)において
■気管挿管により人工呼吸のために胸骨圧迫を中断する必要がなくなり,移動中も救助者は胸骨圧迫に専念できる

2 適応と禁忌

救急救命士が行う気管挿管の適応
心臓機能停止状態かつ呼吸機能停止状態の傷病者

・ラリンゲアルマスク,食道閉鎖式エアウエイなどで気道確保ができないものが対象

具体例
異物による窒息

適応年齢
■概ね15歳以上


①気管挿管の適応と考えられる例

・概ね15歳以上で,心臓機能および呼吸機能停止例のうち,以下のいずれかに相当するときに適応
異物による窒息の心肺機能停止例
■その他,医師が必要と判断したもの

②気管挿管の適応外となる例(禁忌を含む)

頸髄損傷が強く疑われる例

頭部後屈困難例

開口困難と考えられる例

喉頭鏡挿入困難例

・喉頭鏡挿入後の喉頭展開困難例

・その他の理由による声帯確認困難例

時間を要する,もしくは要すると考えられる例

その他,担当の救急救命士が気管挿管不適と考えた例

3 気管挿管プロトコール

・テキストP358参照

4 資器材の準備

気管内チューブのサイズ
■成人男性7.5mmまたは8.0mm
女性7.0mm

・チューブのカフ付近には直接触れない

・カプノメータを使用しない場合
呼気二酸化炭素検出器の色調が紫色であることを確認

シリンジのエア
10mL

スタイレット滅菌パックに入れたまま気管内チューブの形状に合わせる

・滅菌ガーゼに潤滑ゼリーを滴下させ,スタイレットに塗布

・スタイレットの先端気管内チューブの先から出ていないことを確認